令和4年10月吉日
一般財団法人本多流生弓会(理事長:本多利永本多流四世宗家)は、令和4年10月1日、2日の両日、明治神宮至誠館(東京都渋谷区)において第44回中央研修会を開催しました。中央研修会は昭和53年に本部研究会として第1回が開かれて以降、本会の最も重要な研修会として全国から会員が集い、毎年秋の恒例行事として開催されてきました。
第42回・第43回はコロナ禍のため中止となったため、今回は3年ぶりの開催となりました。初日は「講演」と題して宗家講話に始まり、師範講話、会員発表2件および支部発表1件が行われ、会員の日頃の研究の成果や支部の活動内容が報告されました。あわせて、印可認許者に対し宗家から印可状が授与されました。初日の参加者は39名でした。2日目は参加者43名、「射技射礼研修」として、師範会による矢渡ののち、模範演武、会員射礼、師範による射技講話、射技研修および射礼研修が行われました。2日間にわたり本多流弓道について射学・射技・射礼の各分野で研鑽を積むとともに、さわやかな秋晴れのなか、大いに弓を楽しみました。
今後も本会は、本多利實翁(注1)が創始し、現代射法として普及した「正面に打ち起こして大三を取る射法」(注2)の神髄を追求して参ります。また、翁が残した「生弓斎文庫」(注3)に基づく古来の伝統的射学を後世に伝えるとともに、現代科学を駆使した研究も積極的に取り入れ、日本の弓道文化の継承・発展に寄与して参ります。
注1:本多流流祖。生弓斎と号す。天保7(1836)年生。江戸における日置流竹林派の家元。第一高等学校、華族会館、東京美術学校、東京帝国大学、大日本弓術会などを指導した。大正・昭和初期に活躍した名射手の多くは翁に学び、弓聖とも称えられる。
注2:本会の師範であった髙木棐(たかぎ・たすく)氏は、財団法人(現公益財団法人)全日本弓道連盟範士・十段で、副会長、審議会委員、全日本学生弓道連盟会長などの要職を歴任され、全日本弓道連盟弓道教本第一巻創刊当時の射法制定委員として全日本弓道連盟射法の制定に尽力された。
注3:生弓斎文庫には、翁が収集した弓書1,000冊以上が収められ、貴重な弓道文化遺産となっている(非公開)。
宗家講話
印可状授与