令和5年京都研修会を開催しました

令和5年5月吉日

　一般財団法人本多流生弓会（理事長：本多利永本多流四世宗家）は、令和5年5月3日、京都外大西高等学校三条グランド弓道場（京都府）において令和5年京都研修会を開催しました。

京都研修会は、恒例の日置流竹林派起請文の唱和から始まり、宗家の講話、師範会の演武と続きました。射術、射礼講習は前後に分かれて行われ、射術講習においては宗家自らが案内をされました。

午後からの印可審査は、初めての受審となる2名を含めた5名の方が受審されました。審査終了後は組立が行われ、その後の射術講習では、参加者が閉会時間ギリギリまで弓を引いて案内を受けていました。

今回は海外からの参加者も迎えることができ、合計30名の参加者で非常に有意義な研修を行うことができました。

今後も本会は、本多利實翁（注１）が創始し、現代射法として普及した「正面に打ち起こして大三を取る射法」（注２）の神髄を追求して参ります。また、翁が残した「生弓斎文庫」（注３）に基づく古来の伝統的射学を後世に伝えるとともに、現代科学を駆使した研究も積極的に取り入れ、日本の弓道文化の継承・発展に寄与して参ります。

注１：本多流流祖。生弓斎と号す。天保7（1836）年生。江戸における日置流竹林派の家元。第一高等学校、華族会館、東京美術学校、東京帝国大学、大日本弓術会などを指導した。大正・昭和初期に活躍した名射手の多くは翁に学び、弓聖とも称えられる。

注２：本会の師範であった髙木棐（たかぎ・たすく）氏は、財団法人（現公益財団法人）全日本弓道連盟範士・十段で、副会長、審議会委員、全日本学生弓道連盟会長などの要職を歴任され、全日本弓道連盟弓道教本第一巻創刊当時の射法制定委員として全日本弓道連盟射法の制定に尽力された。

注３：生弓斎文庫には、翁が収集した弓書1,000冊以上が収められ、貴重な弓道文化遺産となっている（非公開）。