令和7年度中央研修会を開催しました

令和7年10月吉日

一般財団法人本多流生弓会(理事長:本多利永本多流四世宗家)は、令和7年9月13日、14日の両日にわたり、東京都内各所で令和7年度中央研修会を開催しました。

今年は本多流二世本多利時(としとき)の没後80年となります。座学研修会では宗家から二世にまつわるお話をいただきました。

二世利時宗家 紀元2600年祭での直垂姿

利實翁嫡孫。明治34(1901)年生、大正12(1923)年國學院大學卒業、宗家二世を継承。(この年が本会の起点)。東京巣鴨の本部道場(戦災で焼失)を拠点として、利實翁の高弟とともに多くの一般弓道家・学生を指導。東京府立第一中学教諭、東京帝国大学学生弓術教導、東京美術学校弓術師範、第一高等学校弓術師範、東京高等師範学校本校体育科教導、東京高等学校武道教師、東京女子高等師範学校講師。昭和15(1940)年に開催された紀元2600年記念の体育大会では指定選士に選ばれ、その射は「カミソリ」と評された。昭和20(1945)年没(享年44歳)。

■座学研修会
令和7年9月13日(土)13時20分より  於:日比谷図書文化会館コンベンションホール 参加者69名

  1. 基調講演 本多利永 本多流四世宗家 「『弓道修業上に於ける種々の現れとその注意』(本多利時)に関する考察」
  2. インタビュー John Carder Bush支部長(欧州支部) 「欧州支部の状況、射礼翻訳本のあとがきについて)
  3. 講演 飯田茂氏(東京外国語大学生弦会) 「若き日の本多利生三世宗家」
  4. 講演 増田宗宏氏(東海支部) 「三河の金的神事」
  5. 講演 並木幸子氏(洗心洞稽古会支部) 「大三~引取において私の工夫していること」
  6. 講演 宮本和子氏・飯野雄一郎氏(赤門支部) 「弓道で使う筋肉」

■実技研修会
令和7年9月14日(日)10時00分より  於:明治神宮至誠館弓道場 参加者59名

  1. 矢 渡 尾木紹学師範代
  2. 繰大前 綾戸岩雄師範代・寒川泰壽師範代
  3. 組 立 青江純平・Jeff Humm・並木幸子 各助教
  4. 研 修 射技、射礼、射学、弓器

今後も本会は、本多利實翁【注1】が創始し、現代射法として普及した「正面に打ち起こして大三を取る射法」【注2】の神髄を追求して参ります。また、翁が残した「生弓斎文庫」【注3】に基づく古来の伝統的射学を後世に伝えるとともに、現代科学を駆使した研究も積極的に取り入れ、日本の弓道文化の継承・発展に寄与して参ります。

【注1】本多流流祖。生弓斎と号す。天保7(1836)年生。江戸における日置流竹林派の家元。第一高等学校、華族会館、東京美術学校、東京帝国大学、大日本弓術会などを指導した。大正・昭和初期に活躍した名射手の多くは翁に学び、弓聖とも称えられる。
【注2】本会の師範であった高木棐(たかぎ・たすく)氏は、財団法人(現公益財団法人)全日本弓道連盟範士・十段で、副会長、審議会委員、全日本学生弓道連盟会長などの要職を歴任され、全日本弓道連盟弓道教本第一巻創刊当時の射法制定委員として全日本弓道連盟射法の制定に尽力された。
【注3】生弓斎文庫には、翁が収集した弓書1,000冊以上が収められ、貴重な弓道文化遺産となっている(非公開)。

■座学研修

■懇親会スナップ

■実技研修

 

 

令和7年度 伊勢合宿研修会を開催しました 

2025年7月吉日

一般財団法人本多流生弓会(理事長:本多利永・本多流四世宗家)は、令和7年7月12日・13日の2日間にわたり、伊勢神宮道場(三重県伊勢市)において、令和7年度合宿研修会を開催しました。

今年度は日本弓道の聖地のひとつである伊勢神宮弓道場を会場として、久しぶりの関東以外での開催となりました。急な都合により宗家は欠席でしたが、全国から61名が参加、今回は乗りして前日から稽古に励む会員がいつもより多く居られました。研修では、いつもの師範会メンバーによる一人ひとりの特徴・段階に応じた案内に加え、新たに創設された「助教」メンバー主宰のワークショップ、印可審査、競射会など、「共に学ぶ」をコンセプトに、2日間にわたって活気あふれる合宿となりました。初日は夕食もそこそこに、大勢の会員が夜間稽古へ。。。

  • 宗家講話 「流派とは」 ※資料配付のみ
  • ワークショップ1 「本多流の歴史 ~本多流タイムラインと普及の歴史~」
  • ワークショップ2 「引取 ~反橋と弦道の能を考える~」
  • ワークショップ3 「離  ~五射と切払別券を考える~」

また宿泊先の神宮会館の宿泊者サービスとしてご案内つきの早朝参拝に参加したり、嬉し楽しのおはらい町通り、おかげ横丁の散策など、「大人の修学旅行」を満喫しました。次回の式年遷宮は第63回で令和15年ということですが、遷宮の行事は今年から始まっており、4年後には宇治橋が掛け替えられるとのことでした。参加者一同、4年後の伊勢での再会を誓って帰路につきました。

 

今後も本会は、本多利實翁(注1)が創始し、現代射法として普及した「正面に打ち起こして大三を取る射法」(注2)の神髄を追求して参ります。また、翁が残した「生弓斎文庫」(注3)に基づく古来の伝統的射学を後世に伝えるとともに、現代科学を駆使した研究も積極的に取り入れ、日本の弓道文化の継承・発展に寄与して参ります。

注1:本多流流祖。生弓斎と号す。天保7(1836)年生。江戸における日置流竹林派の家元。第一高等学校、華族会館、東京美術学校、東京帝国大学、大日本弓術会などを指導した。大正・昭和初期に活躍した名射手の多くは翁に学び、弓聖とも称えられる。
注2:本会の師範であった高木棐(たかぎ・たすく)氏は、財団法人(現公益財団法人)全日本弓道連盟範士・十段で、副会長、審議会委員、全日本学生弓道連盟会長などの要職を歴任され、全日本弓道連盟弓道教本第一巻創刊当時の射法制定委員として全日本弓道連盟射法の制定に尽力された。
注3:生弓斎文庫には、翁が収集した弓書1,000冊以上が収められ、貴重な弓道文化遺産となっている(非公開)。