令和5年2月吉日
一般財団法人本多流生弓会(理事長:本多利永本多流四世宗家)は、令和5年2月12日、東京武道館(東京都足立区)において第32回大学OB・OG親善射会を開催しました。
本射会は本多流三世利生(としなり)宗家の発案によるもので、大学を卒業すると弓から離れてしまう方が多い中でも、年に一度は弓を手にする機会として、また弓友との旧交を温める機会を作ろうという主旨のもと、例年春に開催しているものです。
第32回となる今回は、三人立1チームとして全15チーム・45名が参加しました。コロナ禍前は100名を超える一大射会でしたが、今回はいまだコロナ禍の影響もあって、過去に比べれば小規模な射会となったものの、参加者は団体戦・トーナメント戦・個人戦で熱戦を繰り広げました。特にトーナメント戦では出場選手の合計年齢を基準としたハンデキャップがチーム毎に付与される伝統があり、単なる的中を超えた勝負の面白さがありました。競射のあとは余興的をおこない、参加者相互の親睦を深めつつ、和やかなうちに閉会となりました。
各種成績は以下のとおりです。(敬称略)
【団体の部】
優 勝 名古屋大学弓道部OB会
準優勝 帝京大学帝弓会A
第三位 生弓会A
【トーナメントの部】
優 勝 京都大学東京反求会
準優勝 東京外国語大学生弦会
【個人の部】
優 勝 名古屋大学弓道部OB会 櫻井 孝
準優勝 立教大学聖弓会 三浦 智貴
同 帝京大学帝弓会 保坂 龍星
【射技優秀賞】
名古屋大学弓道部OB会 櫻井 孝
立教大学聖弓会 三浦 智貴
【レジェンド賞】
生弓会 寒川 泰壽
東京大学赤門弓友会 寺部 孝平
立教大学聖弓会 宇佐美 洋佑
今後も本会は、本多利實翁(注1)が創始し、現代射法として普及した「正面に打ち起こして大三を取る射法」(注2)の神髄を追求して参ります。また、翁が残した「生弓斎文庫」(注3)に基づく古来の伝統的射学を後世に伝えるとともに、現代科学を駆使した研究も積極的に取り入れ、日本の弓道文化の継承・発展に寄与して参ります。
注1:本多流流祖。生弓斎と号す。天保7(1836)年生。江戸における日置流竹林派の家元。第一高等学校、華族会館、東京美術学校、東京帝国大学、大日本弓術会などを指導した。大正・昭和初期に活躍した名射手の多くは翁に学び、弓聖とも称えられる。
注2:本会の師範であった髙木棐(たかぎ・たすく)氏は、財団法人(現公益財団法人)全日本弓道連盟範士・十段で、副会長、審議会委員、全日本学生弓道連盟会長などの要職を歴任され、全日本弓道連盟弓道教本第一巻創刊当時の射法制定委員として全日本弓道連盟射法の制定に尽力された。
注3:生弓斎文庫には、翁が収集した弓書1,000冊以上が収められ、貴重な弓道文化遺産となっている(非公開)。