令和6年12月吉日
一般財団法人本多流生弓会(理事長:本多利永本多流四世宗家)は、令和6年11月4日(振替休日)、東京武道館(東京都足立区)で第53回大学対抗射会を開催しました。
この射会は、流祖本多利實翁以来の伝統である学生への弓道普及ならびに学校弓道の振興を目的として、主に関東地区で本多流とゆかりの深い大学に参加を呼びかけ、毎年開催しています。
今回は12校49名の選手が参加し、5人立各人8射計40射での競射が行われました。団体では優勝・準優勝・第3位、個人では皆中賞・射技優秀賞を表彰することとしています。また競射後には金的・扇的などの余興で、さわやかな秋の晴天のもと、一日弓を楽しみました。
【出場校】(五十音順)
国際武道大学
国士舘大学
駒澤大学
上智大学
城西大学
大東文化大学
東京大学
東京外国語大学
東京経済大学
東京農業大学
日本大学
明星大学
【団体】
優 勝 国際武道大学(2連覇)
準優勝 日本大学
第3位 大東文化大学
【個人】
◎皆中賞
近藤 響 選手(日本大学)
若松 聖高 選手(大東文化大学)
藤塚 大和 選手(国際武道大学)
◎射技優秀賞
工藤 拓海 選手(日本大学)
高柳明日実 選手(東京経済大学)
今後も本会は、本多利實翁【注1】が創始し、現代射法として普及した「正面に打ち起こして大三を取る射法」【注2】の神髄を追求して参ります。また、翁が残した「生弓斎文庫」【注3】に基づく古来の伝統的射学を後世に伝えるとともに、現代科学を駆使した研究も積極的に取り入れ、日本の弓道文化の継承・発展に寄与して参ります。
【注1】本多流流祖。生弓斎と号す。天保7(1836)年生。江戸における日置流竹林派の家元。第一高等学校、華族会館、東京美術学校、東京帝国大学、大日本弓術会などを指導した。大正・昭和初期に活躍した名射手の多くは翁に学び、弓聖とも称えられる。
【注2】本会の師範であった髙木棐(たかぎ・たすく)氏は、財団法人(現公益財団法人)全日本弓道連盟範士・十段で、副会長、審議会委員、全日本学生弓道連盟会長などの要職を歴任され、全日本弓道連盟弓道教本第一巻創刊当時の射法制定委員として全日本弓道連盟射法の制定に尽力された。
【注3】生弓斎文庫には、翁が収集した弓書1,000冊以上が収められ、貴重な弓道文化遺産となっている(非公開)。