令和4年度合宿研修会を開催しました

2022年7月吉日

一般財団法人本多流生弓会(理事長:本多利永本多流四世宗家)は、令和4年6月25日・26日の両日、野辺山・帝産ロッジ洗心弓道場(長野県南佐久郡)において、令和4年度合宿研修会を開催しました。

合宿研修会は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、ここ2年中止となっていたことから3年ぶりの開催で、宗家は欠席でしたが32名が参加しました。両日とも晴天に恵まれ、さすが日本一標高の高い駅がある野辺山、吹く風も爽やかで、高原での稽古を満喫しました。

初日は帝産ロッジ・亀岡会長のご挨拶、宗家挨拶(代読)、師範代就任委嘱(代読)に始まり、3月および5月の研修資料の紹介、師範会による矢渡し、軽装・素足での稽古、班別射技研修(スマホやタブレットを活用した動画撮影、会員同士による相互案内)、師範会による案内、印可審査、洗心弓道場の歴史と伝統に触れる見学会、2日目は師範会講話、師範会・東海支部・関西支部による繰大前披露、洗心洞稽古会支部による普段の稽古の再現披露など、充実の研修会となりました。

特に、洗心弓道場は本会および本多流にゆかりの深い道場であることから、軽装・素足での稽古の了解をいただき、当流ならではのしっかりとした足踏・胴造を修業することができました。

印可審査では1名が受審し、進境に応じた印可が許されました。

集合写真

矢渡し

師範会による案内

素足での稽古

師範会演武

会員演武

会員演武

歴史と伝統に触れる


 今後も本会は、本多利實翁(注1)が創始し、現代射法として普及した「正面に打ち起こして大三を取る射法」(注2)の神髄を追求して参ります。また、翁が残した「生弓斎文庫」(注3)に基づく古来の伝統的射学を後世に伝えるとともに、現代科学を駆使した研究も積極的に取り入れ、日本の弓道文化の継承・発展に寄与して参ります。

注1:本多流流祖。生弓斎と号す。天保7(1836)年生。江戸における日置流竹林派の家元。第一高等学校、華族会館、東京美術学校、東京帝国大学、大日本弓術会などを指導した。大正・昭和初期に活躍した名射手の多くは翁に学び、弓聖とも称えられる。注2:本会の師範であった髙木棐(たかぎ・たすく)氏は、財団法人(現公益財団法人)全日本弓道連盟範士・十段で、副会長、審議会委員、全日本学生弓道連盟会長などの要職を歴任され、全日本弓道連盟弓道教本第一巻創刊当時の射法制定委員として全日本弓道連盟射法の制定に尽力された。

注3:生弓斎文庫には、翁が収集した弓書1,000冊以上が収められ、貴重な弓道文化遺産となっている(非公開)。