平成31年/追悼射会開催報告

本会では、前年中にご逝去された方々については、一定の基準を設けて翌年の4月に追悼射会を開催することが通例となっています。今年は既に会報でお知らした通り、千葉師範と山中氏(元評議員・理事)のお二人を対象として追悼射会を行う予定でした。しかしながら今年に入って情報が新たに入って対象者が増加し、5名の方々を対象として追悼射会を開催しました。平成の元号の最後に、本会にとって大事な方々がご逝去されたことは誠に残念で、痛惜の念に胸が痛みますが、これまで本会に大きな貢献をいただいた方々のご冥福をお祈りしつつ、誠を捧げる射会を開催いたしました。

参加者が一堂に会して記念撮影。

射会は平成31年4月7日(日)に、渋谷区スポーツセンター弓道場で開催しました。
宗家ご夫妻もご参加され、総勢35名が参集し、厳かに「本多流組立・一手射礼」で追悼の念を捧げました。

ここで、対象となった昨年ご逝去された方々のご紹介をしておきます。

千葉栄佑さん:奥伝・本多流師範 平成30年2月没(享年90歳)
理事・評議員を永年に亘って歴任していただくと共に、師範として本会の指導にあたっていただきました。体配の権威として知られ、当流だけでなく小笠原流の体配も併せて研鑽を積まれ、小笠原流重籐格も拝受されています。学生弓道の指導に熱心に取り組まれ、専修大学,自治医大の師範として活躍されました。「利實翁没後100年記念射会」で初の披露をされた四世利永宗家の「鳴弦」の指導にも携わられたのが最後のお仕事になりました。
山中恒夫さん:免許 平成30年7月没(享93歳)
理事・評議員を永年に亘って歴任いただくと共に、本多流弓術の科学的分析に貢献され、更には大学弓道の受け皿として「大学ОB・ОG親善射会」や「関東大学懇親射会」の発展にご尽力いただき、晩年まで「矢渡」の大役を務めていただきました。高齢にもかかわらずパソコンを駆使した活躍振りには関係者一同驚きを隠せませんでした。
手嶋敏子さん:奥伝 平成30年2月没(享年96歳)
遠隔地にお住まいであったことから本会の役職には就いておられませんでしたが、山口県から夜行の高速バスに乗って東京や京都の研修会にご参加いただきました。お弟子さんも本会の会員になっておられ、「もつと頑張れ…」と大きな声でご指導をされていたことが今でも鮮明に残っています。
鴨川信之さん:奥伝・元全日本弓道連盟会長 平成30年12月没(享年95歳)
理事・顧問を歴任いただいておりましたが、全弓連会長に就任されたのを機に役職はひかれました。その後も本会の活動には意を配っていただき、影の貢献をしていただき、本会のためにご尽力いただきました。2002年の新年初射会にお見えいただいた際に、会場に足を踏み入れられた瞬間に会場の雰囲気がピンと張りつめたことは今でも思い起こされます。
清水英雄さん:中王 平成30年12月没(享年82歳)
役員を永らく務めていただきましたが、特に本会が財務的に大変だった時代の経理担当として大変なご苦労をおかけしました。本多流らしさを漂わせた射姿は現代の射姿とは異なっていましたが、往時を思わせる射姿は見る者に感動を与えたものです。晩年は肩関節の腱を切られてご苦労が多かったことに加え、人工透析をしながらの弓生活でしたが、体が動く限り射会や研修会に参加され、若手の射術向上にご尽力いただきました。毎年の合宿研修会にはご子息の運転される車に乗って差入れをいただいたことがいい思い出です。


   
以上、簡単ではありますが、5名の方々のご紹介をさせていただきました。それぞれの得意分野野でご活躍をいただいた方々ばかりで、残された我々にとっては大きな損失はありますが、これまで教えを受けたことを胸に留めて今後の活動に生かしていきたいと誓うものです。会員の皆様方もそれぞれの思い出を胸に秘めながら今後の精進にお勤めいただきたいと思います。

尚、これまでの恒例では射会終了後にご遺族にもご参加いただき、思い出話をしながら会食をしたのですが、残念ながら今回は各ご遺族のご出席がご都合でなかったこと、及び会場の手配が不調におわったことから今回の直会は中止とさせていただきました。ご遺族が弓を引かれないことに加え、ご高齢になっておられることが主因ですが、会場の手配が難しいという状況をご了承いただきたいと思います。