平成30年5月 京都研修会報告

平成30年5月3日
報告者:杉山 卓

 

伝統の京都研修会が平成30年5月3日に京都外語大学西高弓道場において実施されました。昨年は流祖本多利實翁没後100年記念行事を控え、記念射会に全勢力を傾けるということで開催しませんでしたが、今年は例年通り無事開催することができたことを喜ばしく思います。

研修会は東京から本多流四世本多利永宗家を始めとして山本師範,坂本師範、杉山師範代そして地元の頓宮師範代等が出席し、見学者を含め参加総数38名での実施となりました。今年の特記事項はニュージーランドからクリス・コールマンご夫妻が参加されたことです。コールマン氏はニュージーランド弓道会の重鎮で、全弓連の研修を終えられた後に、関西支部の佐藤支部長がニュージーランド弓界の立ち上げに深くかかわってこられたという経緯から参加を希望されたものです。

研修は先ず宗家の先導で神前礼拝をし、恒例になっている「日置流射形師弟起請秘記の事」を山本師範の先導により全員で斉唱しました。次いで宗家より「数で学ぶ弓道用語―1~5まで」と題して伝書に遺されている教えを簡単に解説していただきました。数字に着目して数多い教えを整理していただいたものですが、時間的な制約もあり解説の時間は十分なものではありませんでしたが、日頃伝書に縁遠い会員にとっては貴重な経験であったものと推察いたします。座って解説を聞くというのも日頃経験できないことなので、良い経験をしていただいたものと思います。

座学が終わったらいつもの射技研修です。各的に師範が就いて参加者の射術を丁寧に見るという当流独自の研修スタイルで行いましたが、熱心に研修を受講していただきました。
前述のクリスさんは日本語がほとんど出来ず、通訳のできる人の手を借りて指導(ご案内)しましたが、何度か繰り返しているうちに「こちらの言いたいことが分かる…」というところまで辿りつきました。限られた時間の中で、参加者の熱心な受講ぶりで、改めて貴重な機会を満喫していただけたものと思います。

3時からは印可審査会を実施しました。受審者は4名でしたが、これまで一生懸命積み重ねた精進を発揮された審査でした。実技が終了した後には各受審者に対して宗家及び各師範より講評をして射や体配に対するコメントと今後の稽古の指針をお伝えしました。

ほぼ予定通りの進行で5時少し前に研修を修了、そのまま懇親会の会場に移動し、全弓連の大会に参加したメンバーと合流しました。懇親会場はこれまでの味ビルから新たに「レストラン菊水」へと変更されましたが、皆さん満足されていたようです。

今回の研修では関西支部の皆さんに大変お世話になりました。特に関西支部の支部長である佐藤さんには色々と心配りをしていただき有難うございました。来年も京都でお会いできることを祈念して、京都研修会の報告といたします。