故寺内師範 追悼射会

平成29年5月1日
業務執行理事 杉山 卓

 

平成二八年六月五日に逝去された故寺内師範の追悼射会を四月二日に渋谷区スポーツセンター弓道場において開催しました。

ご遺族のご意向や関東地区で先生とのご縁のあった会員がほとんどいなくなったという事情を勘案し、本会だけで先生のご冥福を祈り、お別れをしようということでこの追悼射会となりました。関西地区の会員より、追悼射会が関西で開催されるのなら是非参加したいとの声が多く寄せられましたが、開催の都合上東京での開催しか難しいということでご了承をいただいた経緯がありましたことを申し添えておきます。尚、当日は関西地区を代表して関西支部の水谷旨智さん(運営委員)に駆けつけていただき、共にお別れをさせていただきました。

参加は宗家、大島師範を始めとして18名と数は少なかったのですが、宗家の先生との思い出を含めた心のこもったご挨拶をいただきました。
大島師範の矢渡に続き、本多流組立一手射礼を以って誠を捧げました。参加者が少なかったので三人立で組立を行い、ゆったりと心静かに弓を引くことができ、かえって良かったとの声があがっていました。

寺内先生は会報一四〇号で既報の通り、神戸市の在住で、お元気な頃には中央研修会や京都研修会にも積極的にご参加いただき、当時の多賀師範と共に大声で気合の入った指導振りは研修会の名物でもありました。
しかし、体調の関係からここ10年以上本会の行事にはご参加いただけない状況が続いておりました。
そんな関係から関東地区においては古い会員以外はほとんどご縁がなかったこともあり、参加者は少なかったのですが、先生のご冥福をお祈りすると共に寺内家の今後ますますのご発展をお祈りし、追悼射会を終わりました。

 追悼射会の実施は二年に一度というのがここ十年くらいの実績です。昨年の谷口師範に続いて寺内師範ということで、二年連続での追悼射会となりましたが、共に九〇歳を超えての大往生でした。会員の高齢化は切実なものがあり、世代交代を感じざるを得ません。会員それぞれ健康には留意して一日でも長く弓を引いていただきたいものです。