山中さんの功績に想いを致しつつ、無事終了

平成３１年２月１７日（日）、大学ＯＢ・ＯＧ親善射会が開催されました。

開会式では本多利永四世宗家が、２３校（個人参加を加えれば２７校）と生弓会から参加した５３チーム、約１６０名を前に、「継続の危機に瀕したこともあるこの射会が本日、盛況の中、２８回目を迎えることができたのは、山中さんのおかげ」と、その功績を称えられました。その後、全員で師範席に飾られた遺影に黙祷を捧げました。

坂本武彦師範の矢渡しの後、射会は始まりました。
参加のチーム数と人数について昨年は５６チーム、１６５名という過去最多を記録しましたが、本年も駒澤大学竹林会の久々の参加もあり、それに匹敵する盛況ぶりでした。各大学の幹事の皆さまのご尽力に加え、日頃から広くお声がけをして下さっている寒川顧問のおかげです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

射会は、一人１２射で団体と個人の成績を競った後、トーナメント戦、風船割りや金的の余興という流れで進行しました。

団体戦では、２５中で四チームが並ぶ中、チームの合計年齢で順位を決した結果、優勝は明星大学五月会Ａチーム、準優勝は大東文化大学弓箭会、第三位は東京理科大学弓遊会Ａチームという結果になりました。平成２７年の第２４回以降三連覇を果たした明星大学は昨年、２９中という高い的中ながらも３０中をたたき出した大東文化大学に敗れての準優勝。本年、雪辱を果たしました。

個人戦では、駒澤大学竹林会の天野宏淳さんが１１中で優勝、 名古屋大学弓道部ＯＢ会の岡田茂さんが１０中で準優勝しました。皆中賞は出ませんでしたが、しっかりとした射を披露した選手が多く、坂本師範により七名の射技優秀賞を選定されました。

トーナメント戦は例年通り、四チームから一チーム勝ち上がりの形で進めました。優勝は京都大学東京反求会Ａ、準優勝は大学混成Ａとなりました。それぞれ合計年齢が２２４歳と２１２歳という長老チームでした。年齢ハンディの付与に助けられたという面もありましたが、円熟の射技としっかりとした的中で勝ち上がっていく姿は、参加者一同に大きな感銘を与えるものでした。

８０歳を超える大先輩方のご健闘を称えるレジェンド賞は、細谷正躬さん（立教大学、８８歳）、嶋田陽さん（大阪府立大学、８４歳）、寒川泰寿さん（立教大学、８１歳）、寺部孝平さん（東京大学、８０歳）の四名に授与されました。山中さんは９２歳で当射会の矢渡しを務めましたが、皆様が今後も元気に参加頂くことを願っております。

競技終了後の余興では例年同様、趣向を凝らした風船割、金的や扇落としで、参加の皆さまにお楽しみ頂きました。

多数の参加者を得ての射会でしたが、予定時間を含め極めてスムーズに進行し、参加の皆さまに楽しんでいただける射会になったと感じております。当日、ご挨拶を頂いた宗家、矢渡しと射技優秀賞選定をしてくださった坂本師範、足をお運び頂いた杉山理事と茎田顧問、てきぱきと運営のお手伝いをいただきました生弓会と東京大学の皆さまのおかげと、改めて御礼を申し上げます。

ここ数年の報告で同じ事を書いておりますが、本射会は、秋の大学対抗懇親射会とともに、学生弓道に軸足を置きながら、本多流のつながりとプレゼンスを維持・強化していくための大切な機会でもあります。生弓会の皆さま方には、引き続きのご支援をお願い致します。