第8回遠的大会・実施報告

平成30年7月29日
報告者 杉山 卓

 

迷走台風12号の影響で前日まで開催が危ぶまれた第8回遠的大会は、平成三〇年七月二九日(日)、東京武道館に於いて三十名の参加を得て、予定通り実施されました。当日の朝まで台風の余波が心配されましたが、風の影響が僅かに残る程度で何とか収まり、ようやく開催にこぎつけました。ご承知の通り、今年の夏は格別の暑さで、開催には漕ぎ着けたものの熱中症の心配もあり、ゆったりとしたペースで射会を実施し、全ての参加者は無事で終了することができました。

□苦節一〇年、参加者は初の三〇名の大台乗せ
遠的大会は第一回大会を開催したのが平成二一年の事でしたから今年で一〇年目ということになります。しかし、何故か今年が8回目、というのは平成二四年は東北大震災の影響で会場の東京武道館が閉鎖により使用できず、平成二七年は利實翁没後一〇〇年記念射会の準備のため開催を見送ったという事情によるものです。
第一回の開催時を思い起こすと、参加人員が僅かに一五名、以降も一四~一五名という水準を繰り返し、会場費を払うのも難しいという状況が続いたことで、運営委員会では毎回のように大会の中止を検討することが続きましたが、今年初めて参加者が三〇名(但し、見学者一名を含む)で、初の大台乗せになりました。ようやく射会らしい体裁が整って永らくこの大会を牽引してこられた寒川泰寿顧問から安堵の声が聞こえてきました。寒川さんの熱心な勧誘の賜物と感謝申し上げる次第です。

□結果発表
射会は20射(四矢×5回)の的中制で行いました。

優勝 遠田(えんだ)弘志 (非) 15中
第二位 坂本武彦 (洗心洞稽古会) 15中
第三位 金子成人 (東京) 13中
第四位 杉原庸介 (東京) 13中
第五位 吉田隆一 (東京) 12中
※同中は原則年齢順ですが、今回の優勝は坂本さんが遠田さんに優勝を譲られました。競技は遠田さんが15中で坂本さんの成績待ちという状況の中、坂本さんは4射皆中で遠田さんに並ぶという熱戦が展開されました。

遠的大会も開始し以来一〇年の期間を経てようやく射会らしくなりました。本多流の源流である竹林流が得意にした「堂射」に縁のある遠的は本多流の射法を体験できる貴重な機会でもあります。遠的場には限りがあり、どこでも気軽に体験できるものではありません。遠的を狙って大らかに、大きな射で矢早を目指して的中を競う機会を是非多くの方に経験していただきたいと思います。年に一度の機会をご活用いただき、来年以降もっと大勢の皆さんの参加を期待してやみません。