又世に旅行或は盗難の防禦に半弓と称する物あり、是は弓の半に対しての名称にて、是に三好流或は
李満弓等あり。何れも一器の半弓なり。余壮年の頃一の半弓を発明せり。是は射法自由にして取扱軽便
にて、夜中盗賊或は身の保護に至極適当なるもの也。志の人には相伝すべし。又打根と言うものあり。
是も射に属せしものにして、心得置て実用に足るべし。
如此喋々なして、他に射人無き様如何にも聞き苦しき賤言なれども、保存の一心止みがたく、斯くは暴言せしなり。
見る人幸に恕し給え。殊に文筆も無き老武者なれば、開明盛文の壮者咎むるなかれと云爾。
明治廿二年八月
生弓斎謹述
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