射は顕幽両途感通して一技を全備す。故に前に述べる処則ち顕にして射形を言い、且心気の練心決意の心法
は言うべからざるの修学、伝えがたき処、所謂禅家に教外別伝不立文字と悟道に云所なるべし。先ず情心の概
を言えば、放すべからざるを放し、発すべきを惜む。是則ち情意の射、志に至らざるの為す所なり。悉しき事は
諸流派の祖師究むる所あれば、予一々伝書に拠って弁明すべし。
余近頃、此弓道保存の発意以来、各所的場の況景を視察するに、弓に矢を塔せて礫打に異ならず。奈何となれば、
弓の弾力を殺し、矢の走るを抑へ、弦の発味を失う。一として活溌の道理あらんや。歎くべし。故に大方の射形一篇を述べて
各位の先導に備う。
弓に五味七道の教、又十二教、且五法等あり。五味七道とは、一に足踏、二に胴造、三に弓構、四に打起し、五に引取、六に
会、七に離れなり。是を七道と言い、五味とは足踏胴造を一味とし、弓構打起しを二味と言い、引取を三味とし、
会を四味とし、離れを五味となす。則ち七道をつづめ連足なしたるもの也。又五身とも言う事あり。悉くは説話すべし。
又十二教とは、一に足踏、二に胴造、三に弓構、四に手の内、五に掛け、六に物見、七に澄、八に打起、九に引込、十に矢道
十一に持満、十二に発なり。五法とは高穎の法にして、一に審、二に、三に、四に軽、五に注なり。
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